ECオレンジは「どんな特徴があるの?」「費用はどれくらい?」など、気になっている方も少なくありません。
ECオレンジはカスタマイズが高く、マルチテナント型ECサイトの運営や実店舗との連携が可能です。
そのため、複数ブランドを展開している企業におすすめのECパッケージです。
一方で、ECオレンジはECパッケージなので導入コストが割高になる傾向があります。(具体的な費用は見積りとなります)
このページでは「ECオレンジ」の特徴や利用前に知っておきたい注意点などを解説します。
「機能は使いやすいのか」「自分の用途に合っているのか」など、ECオレンジの導入で失敗しないためのポイントがわかります。
ECオレンジとは?
EC オレンジは2007年に株式会社エスキュービズムよりリリースされた、EC-CUBEをベースとしたECパッケージです。
「モール型ECサイト」「海外向けECサイト」「オムニチャネル」「多店舗展開」「マーケットプレイス」など一般消費者向けのECサイトだけではなく、企業同士の取引(BtoB)や、企業と従業員の取引(BtoE)など様々な形態に対応できることが強みです。
960社以上の導入実績があり、ECサイト運用基盤構築からサイト運用支援までをトータルで支援してもらえますが、それも含めて料金は見積りとなります。
ECオレンジの4つの特徴
1. 実店舗と連携ができる
ECオレンジでは、「ORANGE POS」を導入することで実店舗との連携ができます。
在庫はもちろん、商品情報・顧客情報・配送情報などショップ運営に必要な情報を実店舗とサイトでシェアすることが可能です。
ポイントや会員情報も店舗とサイトで共有したり、ネットで注文した商品を店舗で受け取ることもできたりと、顧客の利便性も広がります。
2. 様々な外部サービスとの連携が可能
ECオレンジは、決済や物流、マーケティング、Web接客など、多方面との連携が可能です。
以下は、連携できる外部サービスの一例です。
決済 | GMOペイメントゲートウェイ |
---|---|
SBペイメントサービス | |
ペイジェント | |
VeriTrans4G | |
NP後払い | |
在庫管理・倉庫管理 | ロジサードZERO |
イー・ロジット | |
CMS | HeartCore |
ワードプレス | |
多言語化(翻訳) | wovn.io |
Web接客 | OKSKY |
MA | ORANGE MA |
aimstar | |
DMP/CDP | INTEGRAL-CORE |
b→dash | |
メール配信 | ナビプラスリタゲメール |
Cuenote |
外部サービスが多いと、企業側は必要な物だけを選べて無駄がありません。
さらに、ユーザー側は外部サービスとの連携で、決済や会員登録方法などの選択肢が増えるので、購買意欲が低下することなく売上につながるメリットがあります。
3. フロント画面・管理画面ともに多言語、多通貨対応
ECオレンジは、フロント画面・管理画面ともに多言語・多通貨に対応しているため、海外で商品販売や外国人労働者を抱える企業にもおすすめです。
また、サイト画面では顧客のアクセスIPアドレスから国を識別し、その国の通貨で料金を表示できるため、ユーザーが通貨を選ぶ必要もありません。
サイトデザインは1つで、日本語と多言語対応ECの両方を同時に構築でき、商品管理もスムーズにおこなえます。
4. 大量アクセスにも強いプラットフォーム
ECオレンジは大量アクセスにも強いプラットフォームで、大規模なECサイトにも対応可能です。
更新用DBと参照用DBを使い分けているので、アクセスが集中してもスムーズに処理がおこなわれます。
さらに、秒間数百PV、秒間数千カートイン、商品SKU数千万規模への対応実績もあり、月間数十億の売上にも対応できるインフラ環境が整っています。
ECオレンジの利用前に知っておきたい2つの注意点
1. サイトオープンまでには最低3か月はかかる
ECオレンジは企業に見合ったサイト構築ができますが、その分サイト公開までには3か月程度以上必要になるケースが多いです。
理由としては、導入企業の現状の問題点からどのように改善したいか、現場フローの確認やヒアリングなどを元にサイトの構築を行っていくからです。
サイト規模にもよりますが、できるだけ早くサイトをオープンさせたいと考えている方は注意が必要です。
2. 導入コストが割高
ECオレンジは買い切りのECパッケージとなるため導入コストは割高です。
どこまでカスタマイズをするか、サイトの規模によっても価格が大きく異なるものの、初期費用は数百万円~数千万円が一般的です。
そのため、ECオレンジは年商1億円以上の中~大規模向けのECパッケージであるということを前提に検討するのが良いでしょう。
ECオレンジの料金プラン
ECオレンジの構築費用は1,000万円~となっていますが、カスタマイズの内容や導入規模によって価格が変動するため、詳細は見積りをとる必要があります。
ライセンス契約のショッピングカートに比べると高額ですが、買い切りのECパッケージなのでランニングコストを抑えることが可能です。
また、実店舗数が増えても追加のパッケージ料金は発生しません。
ECオレンジの評判・口コミ
ECサイトと実店舗の在庫が一元管理できるので、作業の効率がアップしました。
サイトと店舗でのポイントが統合できるのも、リピーター獲得につながっている気がします。
また、売上の状況が全てまとめて分かるので、店舗だけ、サイトだけではない、事業全体での販売分析が可能になりました。
引用:boxil.jp
実際の店舗とECサイトでのデータを連携することができるので、相互送客に非常に便利です。
それまで、データを連携することはあまり容易ではなかったのですが、このシステムを導入してからはそういったことはなくなりました。
引用:boxil.jp
ECオレンジの導入事例
1. ロイヤルカナン
ロイヤルカナンは犬や猫のペットフードを開発・販売している会社です。
ECオレンジを選んだ理由は、自由度が高く情報セキュリティやデータベースなどの要素を入れたソリューションとして構築してもらえるからということです。
サイトにはペットの情報を入れると、ペットに最適と思われる製品が推奨される「製品ファインダー」という機能を搭載しています。
ペットに合うフードを自動で選んでもらえるので、顧客がどの商品を選べばよいか迷うことがありません。
ECオレンジを導入してから、ロイヤルカナンの認知も高まり、売上も順調に伸びてきているそうです。
2. ファミリア
株式会社ファミリアは、ベビー・子ども関連のブランド会社です。
ECと実店舗を連携させたオムニチャネルを展開しています。
一般商品の店舗受け取りシステムだけでなく、期間や店舗限定の商品を事前に予約して取り置くことができるサービスも整えられています。
また、店舗で実施される様々なイベントの予約もサイトから可能です。
オムニチャネルシステムの構築により、来店頻度向上と購入単価アップの実現につながったそうです。
3. H.I.S - Tooktrip
H.I.Sは国内、海外などの旅行を数多く扱う旅行代理店です。
そのHISが、タイ人向け旅行サイトとして構築したのが越境ECの「TOOKTRIP」です。
一般的な越境ECでは、フロント画面もバックエンドも日本語で構成され、決済通貨も日本円になっているものがほとんどですが、「TOOKTRIP」はタイ語、英語を使用しています。
さらに、タイバーツを利用した決済システムとの連携になっています。
まとめ
ECオレンジは、企業の要望に合わせてカスタマイズができる自由度が高いECパッケージです。
ショップ運営に必要な基本の機能はすべて揃っていますが、それ以外にも機能追加や外部サービスとの連携が可能なので、サイト構築の可能性は無限大です。
ただし、導入費用はそれなりに高額になるので、それも踏まえてECオレンジを検討してください。