Shopifyの利用を検討するにあたり「海外サービスだから使いづらくない?」「移行先として問題ないか?」など気になっている方も少なくありません。
Shopifyは、月3,000円程度でデザイン・機能性ともに自由度が高いネットショップをほぼサーバーダウンすることのない安定したサーバーでの運用できます。
そのため、初めてネットショップを運用する方、すでにネットショップを運用していて他のサービスへの移行を検討しているという方におすすめできるサービスです。
このページでは、実際にShopifyを3年間利用しているECコンサルタントである筆者が、Shopifyをおすすめする理由と利用前に知っておきたい注意点などについて解説します。
ちなみに、筆者はカラーミーやMakeShopからShopifyとBASEに移行しました。
Shopify(ショッピファイ)とは?
Shopify(ショッピファイ)とは、カナダ発のネットショップ作成サービスです。
2004年の創業後、世界175カ国で100万以上の店舗で利用されており、世界シェアNo1を誇ります。
Shopifyが日本に参入したのは2017年ですが、低コストで多機能なネットショップを誰でもかんたんに構築できるため、わずか数年で国内シェアも急増しています。
100種類以上のテーマが用意されている
Shopifyでは、ネットショップのデザインを簡単に変更できる「テーマ(テンプレート)」が用意されています。
無料テーマは10種類以上、有料テンプレートは1,000種類以上用意されており、初心者の方でもかんたんにネットショップを作成が可能です。
Shopifyをおすすめする5つの理由
私がShopifyをおすすめする理由は以下の5つです。
- 導入コスト・固定費が安い
- 充実した機能と拡張性
- デザインの自由度が高い
- クレジットカード決済の導入がかんたん
- 安定稼働しているサーバーを利用できる
1. 導入コスト・固定費が安い
shopifyは、初期費用不要で月額料金29ドルから利用できます。
独自ドメインの利用や移管、常時SSL化も無料です。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
独自ドメイン利用料 | 無料 | ||
常時SSL化 | 無料 | ||
商品登録数・ディスク容量 | 無制限 |
カラーミーやMakeShopでは、商品登録数無制限と謳っていますがディスク容量に上限があるため結局商品登録数は制限されてしまいます。
また、おちゃのこネットでは独自ドメイン設定料として費用を払わなくてはならないサービスもあり、契約後に予定よりコストがかかってしまうことも少なくありません。
Shopifyでは、月額料金の範囲内で運用できるので商品点数が多い方や画像枚数を気にせずにネットショップを運用できるのは大きなメリットであるといえます。
2. 充実した機能と拡張性
Shopifyでは、アプリを追加することで機能拡張が可能です。
ShopifyはAPIを公開しているため、公式のほかにも多くの会社がアプリを開発してShopifyのアプリストアに掲載しています。
3,000種類以上のアプリがあり、集客向けや販売促進、海外販売向けや無在庫販売など様々な機能を持つアプリが存在します。
Shopifyの主なアプリ | ||
---|---|---|
集客向けアプリ | Googleチャネル | Googleショッピングへの商品掲載ができる |
Facebook チャネル | Facebook・インスタグラムショッピング連携ができる | |
Kit | Facebook・インスタグラムの広告作成などができる | |
販促向けアプリ | Judge.me Product Reviews | レビュー機能を追加できる |
Shopify Chat | チャット機能を追加できる | |
Buy Button channel | 自社サイトやブログに購入ボタンを付けることができる | |
SEO対策アプリ | SEO Optimizer: All‑in‑one SEO | SEOの改善 |
SEO manager | SEOの改善 | |
海外販売向けアプリ | langify | 翻訳機能を追加できる |
ship&co | 海外発送機能を追加できる |
3. デザインの自由度が高い
Shopifyでは、基本的にHTML・CSSの編集やShopify独自のテンプレート言語「Liquid」を用いて細かいカスタマイズを行えます。
また、HTMLなどの知識がなくても管理画面のテーマエディタからテキストや文字色の変更、レイアウト調整、画像の挿入などを行うことも可能です。
デザインの自由度が高いため、Shopify専門でカスタマイズを請け負うフリーランスやWeb制作会社も多いです。
4. クレジットカード決済の導入がかんたん
Shopifyでは、Shopifyペイメントという独自の決済サービスが用意されています。
Shopifyペイメントは、他の決済代行会社と異なり、審査不要・書類提出なしでスムーズに導入が可能です。
Shopifyペイメントで利用できる決済手段は以下のとおりです。
- VISA・Master Card
- JCB
- American Express
- Apple Pay
- Google Pay
- Shop Pay
上記の決済手段を手間なくスムーズで導入でき、取引手数料ゼロ、決済手数料も3.25%〜と安く利用できます。
また、後述しますがShopifyペイメント以外の決済手段(AmazonPayやキャリア決済など)についても導入は可能です。
5. 安定稼働しているサーバーを利用できる
Shopifyでは、サーバーダウンによる機会損失を防げます。
多くのショッピングカートサービスでは共有サーバーを使っているため、月1〜数ヶ月に1回はサーバー障害でネットショップが閲覧できなかったり、購入ができなかったりする不具合が起こります。
2019/04/22 【復旧済み】ショップページを閲覧できない不具合が発生しています
■不具合の詳細
発生日時:2019年4月22日(月)01時46分頃~同日 10時54分
原因:複数台のサーバーにおいて同時発生した不具合のため
影響範囲:
・ショップページの閲覧と購入
・管理者ページの閲覧
管理画面のURLがadmin34から始まるサーバについて、障害が発生しております。
Shopifyのサーバーは稼働率98%でほぼサーバーダウンすることはありません。
また、1分間に1万件の注文を処理でき、アクセスが集中しても表示速度が遅くなりづらい高品質なサーバーのを利用できます。
また、サーバーの稼働状況のモニタリング結果も公開されているため、万が一サーバー障害が発生してもすぐに通知を受け取れます。
Shopifyの利用前に知っておきたい3つの注意点
Shopifyを利用する前に知っておきたい注意点は以下のとおりです。
- カスタマイズにはHTML・CSSの知識が必要
- 日本語対応していないテーマ・アプリもある
- 電話サポートはなく「メール」のみ
1. カスタマイズにはHTML・CSSの知識が必要
Shopifyで作ったネットショップを細かくカスタマイズするには、HTML・CSSやShopify独自のテンプレート言語「Liquid」を用いてコーディングしなくてはならないシーンがあります。
テキスト・色の変更やかんたんなレイアウトの調整などは管理画面から行えますが、カスタマイズには最低でもHTMLの知識が必要です。
無料で使えるテンプレートも多いですが、海外向けのデザインで日本人には馴染みのないデザインのものも少なくありません。
2. 日本語対応していないテーマ・アプリもある
Shopifyは海外サービスなので、公式以外が提供するテーマやアプリには日本語対応していないものも多いです。
数年前と比べると公式が提供している管理画面などは順調に日本語対応が進んでいるため、そこまで機能拡張しない場合は不便に感じることはほぼありません。
3. 電話サポートはなく「メール」のみ
Shopifyでは、日本語での電話サポートは対応していません。
不明点や疑問点が出た際は、メールでの問い合わせする選択肢しかないため、解決までに時間と手間がかかります。
また、メールでの問い合わせは24時間受け付けていますが、質問によっては返信が2日以上かかることもあります。
そのため、電話サポートを受けたいと考えている方は、間に制作会社を入れるか、他サービスを利用を検討するのが良いでしょう。
Shopifyの利用にかかる費用
Shopifyの月額利用料金
Shopifyの料金プランは3つです。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
スタッフアカウント数 | 2 | 5 | 15 |
プロフェッショナルレポート | × | ○ | ○ |
カスタムレポートビルダー | × | × | ○ |
外部サービスの計算済み配送料 | × | × | ○ |
複数言語 | × | 最大2言語まで | 最大5言語まで |
Shopifyの各料金プランの違いは、レポート機能や海外販売向けの言語指定ができるかなどが挙げられます。
いつでもプラン変更は可能なので、まずはベーシックプランで始めて売上規模に応じてプラン変更を検討するのが良いでしょう。
決済手数料・取引手数料
Shopifyでは、購入された際に決済手数料と取引手数料が発生します。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
国内発行クレジットカード(VISA・MASTERなど) | 3.4% | 3.3% | 3.25% |
国内発行クレジットカード(JCB) | 4.15% | 4.1% | 4.05% |
海外発行クレジットカード(AMEXなど) | 3.9% | 3.95% | 3.8% |
取引手数料(Shopifyペイメント利用時) | 無料 | 無料 | 無料 |
取引手数料(他決済サービス利用時の追加料金) | 2% | 1% | 0.5% |
Shopifyペイメント以外の決済代行会社(GMOペイメントゲートウェイやイプシロンなど)を利用するとプランに応じて取引手数料が発生してしまいます。
Shopifyペイメントは他の決済代行会社の決済手数料と比べても安いため、基本的にはShopifyペイメントを利用するのが良いといえます。
また、Shopifyペイメント以外に導入できるサービスも多く、例えばPalPalやAmazonPay、キャリア決済、ビットコイン決済など様々な手段の導入が可能です。
Shopifyの評判・口コミ
良い評判・口コミ
管理画面のUIが抜群に使いやすい
Shopifyが日本でも実績を増やしているのは、拡張性や構築のしやすさもありますが、管理画面のUIだと思っています。
国内の自社ECカートシステムの管理画面はデザイン面や操作性で使いにくいと感じるものばかりですが、Shopifyはその点、抜群に使いやすいです。
そのため、制作会社も好んで使います。
— 川口 聡 / 株式会社リーピーの社長 (@satoshi_leapy) December 23, 2020
マーケティングに当てる時間を増やせる
個人的shopifyが最強の理由は、構築期間の短さと管理のしやすさによってマーケティングに当てる時間を増やせるところだと思う。バックの作業を効率化しやすい分フロント作業に時間を費やせる≒売り上げが延ばせる
— ひょうが@20歳月収160万 (@Hyoga46t) February 12, 2021
BASEからshopifyへの移行計画立ててます
最近の決断。BASEからshopifyへの移行計画立ててます。
いろんな事があったのも大きいですが。手数料もバカにならんですし。BASEアプリフォロワー1,5万人の活路を意識しつつバランスよく移行してこうと思いますっ— ナカヤマケイコ@アパレル物販女子 (@H1fYulE1BKlixQ6) December 13, 2020
悪い評判・口コミ
ポイント割引のような各国特有の機能はShopifyじゃ使いにくい
日本でいうところの「ポイント割引」のような『各国特有の機能(サービス)』も、Shopifyじゃ使いにくいデメリットもある。
この辺りは、BASE・メルカート・MakeShopのような国産ECサイトがやっぱり強い(でも高い— 朱丘@GF relinkまーだー!? (@redhill246) December 8, 2020
個人事業主はAmazon pay導入できない(法人のみ)のか…
Shopify使う予定なんだけど、個人事業主はAmazon pay導入できない(法人のみ)のか…🥲
— Eriko Saino (@meranamerikohai) January 27, 2021
日本語情報ないの結構きつい
Shopify英語の情報めちゃくちゃあるけど、日本語情報ないの結構きつい😭
英語できない自分を悔やみます😭#駆け出しのエンジニアと繋がりたい #プログラミング学習 #Shopify
— カズキ@Shopify×マーケティング (@kazuki_YMNK) January 4, 2021
まとめ
Shopifyは、初めてネットショップを運用する方、すでにネットショップを運用していて他のサービスへの移行を検討しているという方におすすめできるサービスです。
しかし、海外製のネットショップ作成サービスなので多くのアプリは日本語対応していないため注意が必要です。
Shopifyは無料で14日トライアルが可能なので、まずはどんな感じなのかを触っていることをおすすめします。